嘆願書 その2 <三つの対策>

平成23年3月30日
内閣総理大臣 菅 直人 殿

嘆願書その2 三つの対策

東日本の震災と津波被害は福島第1原発の事故につながり、戦後日本最大の国難となっています。   「止める、冷やす、閉じる」の原発停止作業に見通しが立たず、国民は不安な毎日を送っています。
原発対策は、用意をしてしすぎる、ということに世論の反対はありません。
周囲の土壌や海水に放射能汚染を拡大させないために、

①排水汚染への救急対策、②原子炉蓋の開放準備、③施設の定点観測

3つは、万一に備えた用意を同時にすることをお願い申し上げます。

①排水汚染への救急対策

原子炉から漏れた放射能汚染された水は、現在、建屋とトレンチに貯まっています。 水漏れの原因と箇所が分からない現状では、排水はコントロール出来ません。 こうした状況が続いている中で、放射能汚染された排水を海に流入させない為の対策として、 沖合に10万~50万トンの石油タンカーを複数隻準備し、ここに排水を一時保管します。 大型タンカーと原発施設とを結ぶために、小型タンカーを原発に接岸し排水を運びます。

次に、敷地内にはコンクリートの大きなプールを2つつくります。 一つは、3~5年間、原子炉から取り出した燃料棒を保管する臨時の場所として、上部に海水を 十分貯める安全な施設とします。 一つは、大型タンカーに一時避難した汚染された排水を移し、 永久に閉じこめる大型プールとします。こちらは永久施設とします。

②原子炉蓋の開放準備

現在、上屋が破壊されています。 事を終局するためには、原子炉から燃料棒を取り出すことです。 その為の100トンを超す原子炉蓋を持ち上げるクレーンの施設がありません。 対策として、4つの原子炉を自由に行き来するクレーンを設置します。 100トンを超すクレーン施設は各地の造船所にあります。 このクレーンを移設して使うことで対応が出来ます。その方法は略図で示します。

③施設の定点観測

施設内の定点観測のために、カメラ付きの遠隔操作ロボットを入れます。 放射能濃度が高くて人間が作業の出来ない場所についても、状況について観測し、 情報公開をすることです。

 

福永博建築研究所 所長 福永 博

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