1.マンションの改修において大切にしたいこと

建物の“改修”は、悪いところを直すだけにとどまらず、 多岐に亘る専門的な項目を考慮した上で、
「何を行うべきか」を判断することが求められます。

(1) 居住者や管理組合、管理会社から日常における不具合や要望をお聞きすることから始まります。
(2) 専門家の目で建物を調査し、状況を把握した上で、具体的な考察を行います。
(3) 経年変化で傷んでいる箇所の改修提案や 日常の不便性の解消を提案します。
(4) 時代に合った仕様への変更を提案します。
(5) 資産価値を上げる為の工夫をします。
(6) 将来を見越した提案をします

■建築家の役目は、基本的な情報を土台として、建物を永く使っていく為に、 何が必要かを考え、
予算等を含めて優先順位を判断し、お伝えして理解して頂き、工事を適正に導くことにあると考えています。
■「美しく」「快適に」「安全に」という視点をもって、提案と調整を行います。
■マンションを長持ちさせる目標時間を、築60年間住めること、次に100年間住めることとし、「何をすべきか」を考えます。

2.外配管=取り替えができるパイプシャフトのつくりかた<制作中>

      300年住宅型パイプシャフト 
建築ジャーナルの記事

3.改修工事の事例(制作中)


■付加価値を上げる工事
  (1)アプローチを改良して上質な空間にしながらバリアフリーを図る
(2)エントランスの屋根に木材を使って温かみのある玄関らしさを演出する
(3)小さな子供たちが使いやすいように踏み台を設置しながら、インターホン周りの品格を上げる
(4)無機質になりがちなホールに装飾用の壁を新設して絵画を飾る
(5)現代にあった上品な色使いに変更する

■問題点の改良

  (1)劣化が早いシーリングに三重の劣化対策を施す(水切り)
(2)汚れにくい外壁素材に変更する
(3)斜め壁のタイルを落ちにくくする
(4)石パネルが剥落しないように工夫する

■将来への備え
・ライフラインを新たに外配管でつくる

■スケルトンリフォーム

■古民家リフォーム

4.改修工事における要点

 (1)基本的な工事と付加価値を上げる工事を工夫する
マンション改修の基本工事項目は、屋根やシーリングなどの「防水」、 クラックや爆裂などの「躯体補修」、外壁や鉄部などの「塗装」に大別されます。 建物の基礎的な要素は、状況に応じて補修する必要があります。 外壁のタイルも地震や経年劣化によって“浮き”や“割れ”が生じており、剥がれて落ちる(剥落)可能性があります。
場所によっては、周囲への被害が発生する為、対策が必須です。 これらは最低限必要な基本的な項目ですが、節目で行う大規模な改修であれば、日頃行うことができない
『付加価値を上げる』ことを目的とした項目を検討することを提案します。 気配りで建物の価値は増加します。資産価値が維持・向上されることを目標とします。 (2)「美しさ」を理解する
時代や周辺環境、ライフスタイルの変化によって“美しさ”の基準も変化していきます。 また、お住まいの方々の趣向も購入した時から変化しています。 これらを考慮した上で、例えば上質な色に変更し陽気にかえるなど、 「今」にあった“美しさ”を考えます。

 

 

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